このコラムでは、皆さまのBCPの現場を支える情報を、結実株式会社と株式会社DreamMarsheの共同でお届けしてまいります。

株式会社DreamMarsheの飯尾です。今回のコラムは、私が担当いたします。

先日、とある企業のBCP担当者さんとお話していた時のことです。
「非常用電源は準備しています!」と胸を張っておっしゃっていました。

しかし少し話を伺う中で、“充電の仕組み”や“どれくらい時間がかかるのか”までは、まだ十分に確認しきれていない部分もあるようでした。

実はここが、非常時に動けるかどうかを大きく左右するポイントです。

家庭用コンセントでの充電

最近のポータブル電源は高性能で、

1000W級 → 約60~90分
2000W級 → 約70~120分
これがフル充電の目安です。

「意外と早いですね」と驚かれる方が多い部分です。

車からの充電は“できるけれど時間がかかる”

「車でも充電できるから安心ですよね?」とよく言われますが、実は落とし穴が。
車の12Vシガーソケットだと 100W前後しか出力できず、

・1000W級 → 10時間以上
・2000W級 → 20時間以上

現実的ではありません。

ただ、最近登場したオルタネーターチャージャーなら600~1000W出力で、家庭用コンセント並みのスピードで充電できます。

また、トヨタ系ハイブリッド車にはAC100V/1500Wのオプション(約45,000円)もあります。

ソーラー充電の“理想と現実”

太陽光も魅力ですが、1000W級を充電するなら 300W級のソーラーパネルが必要。

理由は、

・晴天時しか発電できない
・300W表記でも実際は250W前後
・日照角度調整が必要

思った以上に「太陽任せ」になる仕組みです。

ガソリン発電機は強力だが、扱いに注意

企業では導入が進んでいますが、

・ガソリン劣化でエンジンがかからない
・キャブレター詰まり
・騒音と排ガス
・夜間は使用が難しい
・半年ごとの点検は必須
・災害時にガソリンが確保できるとは限らない

災害時はガソリンスタンドが混み合い、発電機用の燃料もすぐには手に入りにくくなります。

結論:どの電源にも“得意・不得意”がある

だからこそ、「準備している」だけでなく、“使える状態”かどうかを平時に確認しておくことが大切です。

非常用電源は、備えた瞬間がスタートです。

防災訓練で気づく「本当に必要なもの」

実際に訓練をしてみると、・充電が切れていた
・想定以上に時間が必要だった
・誰が操作できるかわからない

そんな“現実”が浮かび上がります。

非常用電源は、一つで万全ではありません。しかし、不足を知れば、他の備えで補うことができます。

その気づきこそが、「いざという時、本当に動ける組織」をつくります。
次の防災訓練では、ぜひ「非常用電源の扱い」もテーマに入れてみてください。

それでは次回また。