このコラムでは、皆さまのBCPの現場を支える情報を、結実株式会社と株式会社DreamMarsheの共同でお届けしてまいります。

結実株式会社の山梨です。今回のコラムは、私が担当いたします。

先日、「南海トラフ地震を知る」というワークショップに参加しました。

印象的だったのは、「災害マップ」や「予報」といった“情報”に頼りすぎないことの大切さです。

私が講師に「今ある災害マップは正しいのか?」と質問すると、「そもそもそこに囚われること自体が危険…」というような言葉をいただきました。

そのとき私は、「思い込み」が生まれるのだと理解しました。

マップを見て「ここは大丈夫」と思うと、それ以外の選択肢が見えなくなってしまう。

本来は“今、目の前の状況を見て判断すべきこと”が、“マニュアルやルールを優先する判断”になってしまう。

この気づきは、日常のコミュニケーションにも通じると思いました。

最近は、コミュニケーションの「やり方」を学ぶ機会が増え、うなずき方やオウム返しなど、傾聴の技法も広く知られるようになりました。
けれども、「やり方」に囚われてしまうことで、“今、相手に何が必要か”という感覚を見失うこともあります。

先日もある方と話していると、私の話を何度も「つまり、〇〇ということですね」と要約してくれました。

たわいもない話をしていたつもりが、いきなり要約されると少し違和感を覚えました。おそらくその方は「正しい聞き方」を意識していたのでしょう。

でも、今必要なのは“やり方”ではなく、“その瞬間にどう関わるか”なんですよね。

BCPコミュニケーションも同じです。

災害時、マニュアル通りに人が動くとは限りません。
状況を見て、相手の状態を感じ取り、「今、何をすべきか」を考えながら行動する力が問われます。

「正しい方法」や「決められた手順」に安心したくなるのは自然なこと。けれども本当に大切なのは、“今ここ”の状況を見て判断する力です。

平時のコミュニケーションの中でこそ、その感覚を育てていくことが、“想定外を想定する”一番の備えになるのかもしれません。

それでは次回また。