このコラムでは、皆さまのBCPの現場を支える情報を、結実株式会社と株式会社DreamMarsheの共同でお届けしてまいります。

結実株式会社の山梨です。今回のコラムは、私が担当いたします。

先日、ある企業のBCP担当者の方とお話しする機会がありました。

その方が、少し疲れた表情でこう話してくれたんです。

「一生懸命考えて準備して、伝えているんですが…どうしても社員が“自分ごと”で動いてくれないんですよね」

マニュアルは整っている。備品もそろっている。動線や役割も、何度も見直してきた。

それでも、防災訓練になると「定刻の防災訓練」になってしまう。

時計をちらっと見て、「そろそろだな…」と身構えたところで鳴るサイレン。

その光景を見ながら、「これに、どれだけ意味があるんだろう…」担当者は、頭を抱えてしまうそうです。

実はこの「自分ごとにならない」という悩み、BCPに限った話ではありません。

日常業務でもよく聞きますよね。

・言われたことはやるけれど、主体的には動かない

・問題が起きてから「聞いていない」と言われる

・結局、担当者だけが背負うことになる

では、普段の仕事ではどうでしょうか。人が“自分ごと”で動くのは、どんな時でしょう。

それはたいてい、「自分に何が起きるのかが、具体的に想像できた時」ではないでしょうか。

BCPも同じです。

やり方や備えがいくら十分でも、「自分にどう影響するのか」が見えていなければ、それはどこか遠い話のままです。

だからこそ、準備の最初に必要なのは、実は「備品」でも「手順」でもなく、“自分ごとになる入り口”なのかもしれません。

最後に、ひとつだけヒントを。

防災訓練を始める前に、こんな問いを投げかけてみるのはどうでしょうか。

「もし、今この瞬間に災害が起きたら、あなたは“誰のことで”一番困りますか?」

BCPを“守る仕組み”から、“自分の選択の話”に変える。

その小さな一歩が、行動を変えるきっかけになるかもしれません。

それでは次回また。