このコラムでは、皆さまのBCPの現場を支える情報を、結実株式会社と株式会社DreamMarsheの共同でお届けしてまいります。
株式会社DreamMarsheの飯尾です。今回のコラムは、私が担当いたします。
― 太陽光パネルがあれば、災害時も安心?そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
前回のメルマガでも少し触れましたが、今回は災害時にどのくらい使えるのかを、もう少し具体的に考えてみます。
一般的な家庭用(自宅屋根)の太陽光パネルは、平均で約4.5kWの容量があると言われています。
ただし、停電時は「自立運転モード」に切り替わります。このときの最大出力は1.5kWです。
つまり、停電時に同時に使える家電は最大1.5kWまでということになります。
さらに、夜間は使えないことや雨天や曇天では出力が大きく下がるといった制約もあります。
太陽光パネルだけでは、災害時は正直かなり不便なのが現実です。
こうした背景から、ポータブル電源や家庭用ハイブリッド蓄電池の導入が進んでいます。
最近では、通販や家電量販店で「ポータブル電源+ソーラーパネル」のセット販売もよく見かけます。一見すると、とても安心できそうですよね。
「買って後悔した」という声が多い理由はとてもシンプルです。充電に、想像以上の時間がかかるからです。
例えば、よくある組み合わせとして、ポータブル電源:1000Whとソーラーパネル:200Wです。
この場合、晴天でもフル充電には7〜8時間ほどかかります。
なぜかというと、200Wのパネルでも実際の出力は約8割、最大で160W程度だからです。
1000Wh ÷ 160Wh = 約6.25時間
これは、太陽の向きに合わせて、常にパネルを最適な角度に調整し続けたという理想的な条件下での話です。
雲がかかると、出力は20〜30W程度まで落ちます。
実際に検証してみると、15〜30分おきに太陽に合わせてパネルを動かす必要があり、かなりの手間がかかりました。
現在、以下の構成で検証を行っています。
・ポータブル電源 1000Wh × 2台(合計2000Wh)
・ソーラーパネル 120W × 3枚
・車両からの充電 ハイブリッド車:1500W充電 ガソリン車:オルタネーターチャージ(約1000W)
・スマホで電源・容量を管理
「使えるかどうか」ではなく、現実的に運用できるかという視点で検証しています。結果は、また改めてお知らせします。
停電が発生した場合でも、自立運転モードに切り替えることで一定の電力を安定して使うことができます。
ただし、自立運転モードでは供給できる電力は最大1500Wまでに制限されています。
そのため、パネルを多く設置しても使える電力が増えるわけではありません。
ここを知らずに設備を増やすと、「思ったより使えない」という結果になりがちです。
太陽光パネルも、ポータブル電源も、決して悪いものではありません。
ただし、何となく安心ではなく、具体的に使う場面を想定することが重要です。
何をどれくらいどのくらいの時間使いたいのか。その想定がないと、設備は「備え」ではなく、「思い込み」になってしまいます。
次回以降、現場で本当に動ける電源とは何かについても、改めて整理してお伝えできればと思います。
それでは次回また。


