今回担当しますのは、ドリームマルシェ飯尾です。
熊本で発生した地震、そして千葉県を中心とした大雨により被害に遭われた皆さまに、
心よりお見舞い申し上げます。
災害は、いつ、どこで起きるかわかりません。世界に目を向けても、大きな地震が相次いでいます。こうしたニュースに触れるたびに、「備えておくこと」の大切さを改めて感じます。
ただ、BCPに関わっていると、もう一つ気になることがあります。
「備えてある」ことと、「実際に使える」ことは違う。
今回は、そのことを確かめるために、ポータブル電源でエアコンをどのくらい動かせるのか、実際に試してみました。
ポータブル電源があれば大丈夫?
夏の災害で停電が起きたとき、大きな問題になるのが暑さです。
近年の猛暑を考えると、エアコンが使えるかどうかは、自宅避難を続けられるかを左右する大きなポイントになります。
「ポータブル電源があれば、エアコンも使えるだろう」
そう思っていたのですが、実際に確認してみると、単純にポータブル電源を用意すればいいわけではありませんでした。
まず確認したいのが「コンセント」
エアコンには、専用コンセントが使われている場合があります。
差し込み口の形状が通常のコンセントとは異なり、「ポータブル電源を買ったのに、エアコンのプラグが差さらない」ということも起こり得ます。
さらに確認したいのが、そのエアコンが100Vなのか、200Vなのか。
一般的に、広いリビングなどでは200V、寝室などでは100Vのエアコンが使われているケースがあります。
もちろん、ご家庭によって異なりますので、実際のエアコンを確認しておくことが必要です。
実際に動かしてみました。
今回テストしたのは、寝室用の100Vエアコンです。外気温33℃、設定温度27℃で運転しました。使用したポータブル電源は約2000Whクラスです。
実際に計測してみると、運転開始から最初の1時間は、平均約500W。
その後は、平均約200W程度で推移しました。
この条件では、7時間以上運転することができました。
もちろん、これは今回使用したエアコン、ポータブル電源、外気温、設定温度などでの結果です。
機種や部屋の広さ、断熱性能などによって、消費電力は変わります。
それでも、「寝室一部屋だけでも涼しい場所を確保できる」ということは、夏場の自宅避難を考えるうえで大きな意味があると感じました。
問題は、その次でした。
ポータブル電源は、使えば当然、充電が必要になります。
今回、360Wのソーラーパネルを使って充電したところ、約6.5時間かかりました。
天候によっては、さらに時間がかかるでしょう。一台を使いながら、もう一台を充電する。あるいは、車から充電できる環境を確保しておく。
数日間の停電を想定するなら、「電気をどう回していくのか」まで考える必要があります。
ポータブル電源を買って置いておくだけでは、十分な備えとは言えないのかもしれません。
会社のBCPも同じです。
今回は家庭での自宅避難を想定した実験でした。でも、これは企業のBCPにも当てはまると思います。
非常用電源を準備している。
備蓄品を置いている。
緊急連絡網を作っている。
避難場所を決めている。
では、それを実際に使ったことはあるでしょうか。
停電したら、誰が電源を接続するのか。
どの機器を優先して動かすのか。
備蓄品は、必要なときにすぐ取り出せるのか。
社員が自宅避難する場合、どのような環境が必要になるのか。
家族の安全が確保できなければ、社員は会社の復旧活動に参加できないかもしれません。
BCP担当者だけが知っていても、いざというときに会社全体が動けるとは限りません。
「備えている」から「使える」へ
だからこそ、一度やってみる。
コンセントを差してみる。
電源を入れてみる。
何時間使えるか測ってみる。
充電してみる。
そんな小さな実験をするだけでも、計画書を眺めているだけでは気づかなかった問題が見えてきます。
備えているから大丈夫、ではなく、使ってみたからわかる。
あなたの会社にも、まだ一度も「実際には試していない備え」はありませんか?大がかりな訓練でなくても構いません。
まずは一つ、「これは本当に使えるだろうか?」実際に試してみることから、BCPを見直してみてはいかがでしょうか。
それでは、次回また。

